先日ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書 を観た。
(ネタバレご容赦)
アメリカがベトナム戦争の真っただ中だった頃、当時アメリカ国防省は、ベトナム戦争を詳細に分析し記録に残していた。その分析によると「アメリカはこの戦争に勝利できない」という衝撃的なものだった。
歴代大統領、ケネディ、ジョンソンそしてニクソンはそのことを知りながらも、戦火を拡大し、大量の若者や武器・弾薬をベトナムに投入し続け、引き返せない泥沼の戦争にあえいでいた。そしてこの頃、この分析・報告資料、いわゆるペンタゴン・ペーパーズが外部へ流出した。
これをスクープとして記事にしたニューヨークタイムスは、ニクソン政権から刺し止め要求を受ける。
同じ頃、このペンタゴン・ペーパーズを入手したワシントン・ポストも、これを記事にしようとする。しかし同様にニクソン政権から圧力がかかる。このままこのスクープを載せて新聞を発行すると、指し止め要求は勿論のこと、会社の存続さえ危うくなる。経営陣は投獄される恐れさえある。
女性社主(社長)であるケイ(メルリ・ストリープ)は決断を迫られる。なんとかして発行を阻止しようとする経営陣。このスクープを入手した部下ベン(トム・ハンクス)達は何としてでも発行しようとケイの下に訪れる。
もう輪転機を回さないと朝刊に間に合わないという時に、ケイは決断する。「発行する」と・・
孤独で精神的な支援もほとんどない中で、自分の信念を貫き通して決断したケイに感動し、不覚にも落涙してしまった。
それと同時にこう思った。
過去の事とはいえ、政権側の恥部を堂々と映像化できるアメリカという国は、なんと素晴らしいんだろう。