行政システム総研の研究レポートNo.1「業務運用の相違を乗り越え、移行を成功させるために-地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化-」を公開しました。
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-要旨-
自治体業務においては、標準化しにくい業務と標準化しやすい業務があると言われているが、それを定量的に示した研究はこれまで無い。それを明らかにすべく、税業務(バッチ型)と窓口業務(トランザクション型)について、人口規模と職員一人当たり人口の相関関係を分析した。その結果、税業務では相関関係が強く、窓口業務では相関関係がほとんど見られないことがわかった。
つまり、税業務の場合、人口規模に従って業務効率が向上しており、自治体によって業務効率が大きく異なるということは、すなわち人口規模によって業務の運用が異なり、情報システムの相違も大きくなる。税業務(バッチ型)では規模の経済性が生じており、標準化が難しいと言える。
一方で窓口業務の場合、人口規模による業務効率化は確認できなかった。一件ごとに処理するトランザクション型では規模の経済性は確認できず、そのため情報システムもほぼ相違がない、つまり標準化しやすいと考えられる。
自治体標準化において、税業務のような情報システムの相違が大きい業務の場合、運用を標準システムに強制的に合わせることになる。この場合、ソフトが標準化されるため法改正などのシステムメンテナンスコストが最小になるというメリットがある一方、規模の経済性が損なわれるため運用コスト(人件費)がこれまでより増大するというデメリットもある。
自治体標準化の推進(特に、税などバッチ型の業務)において、新システムへの移行後に処理期限の遅延、業務ミスの発生、過重労働などを生じさせないため、事前に業務運用のFit&Gap 調査を行い、運用コスト(職員の割り当て)が充分であるかを検証することが重要になる。
また、本研究レポートと関連する総研コラムも掲載しております。
総研コラムvol.7「自治体標準化の本当の狙いとは」
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